嫉妬は劇薬と言われています。
悩まされているのはきっと私だけでは無いはず。
なので、嫉妬の対処法について調べてみたこともあります。
しかし私の心に響く方法はなかなか見つかりませんでした。
「嫉妬してしまう程の相手は自分よりずっと努力している」?
私は才能というものをあまり信じていません。
むしろ、その量の努力を夢中になって出来ることがそもそも羨ましいです。
「嫉妬する相手の真似をすれば良い」?
そもそもパフォーマンスは体型や骨格等も関係している為、同じようにはまずなりません。
劣化コピーになるのが関の山でしょう…!
といった感じに。
しかし最近になって嫉妬の正体についてわかってきた気がするのです。
今回は、あらゆるアーティストの天敵のひとつ「嫉妬」についてお話してみます。
目次
- 嫉妬は刺激の強すぎる情報である
- 必要な情報を取り出してみる
- 更に策を講じてみる
嫉妬は刺激の強すぎる情報である
※ここでは嫉妬する相手のことを「対象」と呼びます。
まずは逃げて
刺激物こそ摂取量を抑えることが大事なので、始めに距離を作ります。
対象について、なるべく「見ない」もしくは「意識の外に追いやる」方法を取ります。
SNSならミュートにする、リアルならなるべく合わないようにする、場合によっては他へ気を逸らす等でしょうか。
対象のことを過剰に褒める人がいたら、その人との距離を置く必要もあるでしょうし、身を置く環境を変えることもあるかもしれません。
とにかくどんな手段でも良いので、一時的に逃げるのです。
程よい距離感を保たなければ、どんなに有益な効果をもたらしてくれるとしても、自分にとって適切な恩恵は受けられません。
そもそも嫉妬そのものがとても苦しい感情であるもの。
その為、常によけいな負担を強いられることになります。
出来事に対する反応は人それぞれ
私は、競争が好きではありません。
しかも、ライバルなんて存在しようものなら心が潰されてしまいます。
更に、日頃の練習などの度に「あの人みたいになれない自分」に囚われて、全てが無意味なものに思えてしまうのです。
本来なら自分が自分である為にするはずの行為なのに。
私のように、人によっては「嫉妬をバネに頑張ろう」という気持ちには到底なれないことも有り得るのです。
まずは応急処置。
一旦、嫉妬の対象の情報を遮断することです。
しかしこれは逃げではなく、あくまで距離を遠ざけることが目的です。
必要な情報を取り出してみる
欲しいものを整理する
嫉妬心はあくまで感情への刺激の強さが問題なのであるという話をしました。
対象への感情を少しだけ忘れることによって、いずれ気持ちの落ち着く頃が来ます。
すると、じきにそこから見えてくるものが出てきます。
対象のことを頭の片隅に置けるくらいの状態になったら、次にすべきなのは「必要な情報を取り出す」ことです。
一人でゆっくり考えてみるのです。
対象によって思い起こされたことは沢山あるはずです。
自分は相手を見て何が欲しいと思ったのか。
何が自分に足りないものだと思ったのか。
自分に取り入れられそうなものは何なのか。
その為に、何が出来るのか。
ふわっとしたものから具体的なものまで、見つかるのではないでしょうか。
ここの時点で大事なのはあくまで「自分の技術や自分の要素等」についてだけ考えることです。
「対象と比べた時の周りからの注目度や評価」とは切り離すこと。
私であれば例えば、ほんの一部にはなりますが以下の要素が足りない…もしくは欲しいと思いました。
◆華やかな衣装を作り出せるセンスや技量。
◆様になるくらいの美しい身体。
◆ぱっと惹かれるような技を繰り出せる身体能力。
それを得る為には、以下のようにする必要があるのかな?と考えたところを出してみます。
◆衣装を作る際に参考にする資料や画像集を作っておく、過剰な装飾にチャレンジしてみる。
◆食事内容を見直す、骨格の特徴を知ってスタイル良く見える衣装を選ぶ。
◆身体能力の要素はいくつかあるが、私にとって底上げしやすい要素は柔軟性なので、今より腰や股関節の可動域を上げていく。
もしくは開脚系の技を多めに習得してみる。
などなど。
無理せず根詰めず、「これなら出来るかも知れない」と思える対策を挙げていきます。
心に聞いてみよう
私はあくまで、自分自身に主軸を置く考え方をしています。
人に話してみるのも新たな発見はあるのでしょうが、他者の意見に振り回されては元も子も無いと思っています。
その前に、まずは心置きなく自分の心と話をしてみるのです。
持論になりますが、パフォーマーが磨かれる為には
向き不向きなどの適性を判断する
↓
自分の好みと擦り合わせる
↓
観客の評価と擦り合わせる
この順番を経ることが必要だと思っています。
すると、自分が確立されていきます。
そこから初めて、次の段階へ移ります。
更に策を講じてみる
混ぜちゃダメ
ここでようやく「対象と比べた時の周りからの注目度や評価」について考えてみます。
嫉妬の感情に呑まれた時は、対象あるいは自分自身の実力や優劣と、他者からの注目度を混ぜて考えてしまいがちです。
「あの人は実力があるから注目されるんだ、しかし私は実力が無いから注目されない、注目されたいなら今の私では駄目だ…」
というように。
それでは苦しさと併せて混乱が生じてしまう為、なかなか抜け出せないので困りものです。
場合によっては「どう考えても自分のほうが優れているのに対象ばかりがちやほやされている」ということもあるでしょう。
それが悪いことだとは思いませんが、やはり一旦は自分自身を確立させなければ「憎しみ」がベースになってしまうでしょう。
私だったら、すごくつらい。
前提として、評価する側の人は思い通りにはなりません。
しかも、評価そのものが運や状況、客層や現場との相性などコントロール出来ない部分が多い為(確率を上げることは可能ですが)、人事を尽くして天命を待つことになります。
一概に、実力さえあれば注目して貰えるというわけでもないと経験則で感じています。
マーケティングについて考える前に
対処法としては、「最低限の自分の勝ちパターンを知っておくこと」です。
当たり前のことだと思われたでしょうか。
それでも、以下のことについて考えてみるのです。
「(主に知らない人から)褒められたときの詳細」。
誰に?何をしている人から?何て言葉で?どの場所で?どんな時期で?どんな雰囲気だった?どんな衣装や曲を使用していた?
あらゆる記憶から割り出します。
勿論、精神的に余裕があるときには批判を受けた時の状況でも具体的に思い起こしてみるのも大事です。
しかしあくまでも、初めに「褒められた時」から思い出すことをお勧めします。
すると、自ずと「自分の正しい売り出し方」もわかってくると思います。
私は今こうして文章を書くことによって、評価を得たり注目される方法について模索することにしています。
まだまだ未知数、机上の空論に過ぎないのかも知れません。
しかしいずれにしても、売り出す・注目される為には自分についての認識がほんの少しでもはっきりしていることが必須になります。
最後に
結論として、嫉妬心にはとても大事な情報が含まれていると知りました。
しかし強すぎる感情であるからこそ、適切に距離を取る…つまり、冷静に取り扱わなければいけません。
混乱の渦に巻き込まれても、自分がつらいだけ。
「よほど私には自覚したいことがあるんだな」
と思いながら、まずは心置きなく情報を遮断することから始めましょう。
そして落ち着いた頃に、そっと思い出して宝物を取り出してみましょう。
一度で良いので私も誰かに妬まれてみたいなぁと矛盾を抱えつつ。
それでは。